「恋は雨上がりのように」のアニメ10話白雨(はくう)についての感想や原作との比較、違いなどについてまとめて行きたいと思います。
原作を読んでなくアニメだけを楽しみにしている人も沢山いらっしゃると思うので、可能な限り原作のネタバレをしないように気をつけたいと思います。
とは言えこのサイトは原作のネタバレ記事が主体になっているので、未読の方は他のページを極力見ないことをオススメします。
アニメ10話(白雨)概要
(あきら自宅)
あきらは自宅のリビングで月を眺めながら、夏祭りの時はるかと喧嘩したことを思い出していた。
ふと携帯を手にして月の写真を撮る。
部屋の灯りが付いて、母が入ってきた。
「何してるの?」と声を掛けられ、月の写真を撮ってたことを悟られる。
母は「今日はスーパームーンじゃないよ。あんたでも願い事なんてするんだね」と言われる。
先に風呂入ると言って出ていく母親だが、早いとこそれ持ってってねと古新聞の束を示す。
あきらは携帯を見ていたが、重い腰を上げ古新聞の束を一つ手にすると、下の束に『赤レンガ倉庫青空古本市』の広告が。
発見したあきらは近藤を誘おうと思い、紅潮する。
~OP~ CHiCO with HoneyWorks ”ノスタルジックレインフォール”
(赤レンガ倉庫古本市)
あきらは眩しそうに陽に手をかざしていた。
赤レンガ倉庫前で待っていると、近藤が慌てて横断歩道を走って渡ってきた。
ゴメンね、遅れちゃってと言う近藤に対し急に誘ってしまってごめんなさいと言うあきら。
メールにも書いたように、友人としてお薦めの本とか教えて欲しいと告げると、任せてよと近藤。
それにしてもいい天気だね~と二人で天を仰ぐ。
結構出店数あるなぁと言う近藤が「おっちゃ~ん!」と言って古本屋のおじさんに声を掛けた。
おじさんは出稼ぎだと言って胸を張って近藤に答える。
こないだ馬場に行ったら店が閉まってたので潰れたかとおもったと。
もう歳だから夜はやってないんだと。
近藤は学生の時、良く通ってた古本屋の親父さんだとあきらに紹介する。
挨拶をするあきらに、こんな娘さんがいるとはねぇと答えるおじさん。
娘じゃないよ、職場の・・・と近藤が言いかけると
「友達です!」
とあきらが言う。
友達?とおじさんは少し怪訝そうな顔をする。
まあいいじゃないのと割り込む近藤が本の話しを強引にする。
あきらは古はがきを手にした。
古道具屋の友人のお願いで持ってきた、昔の人が本当に出した手紙だと。
あきらが手にした古はがきを近藤が読むとシンプルでいい味だしてるな~と感想を言う。
「そういやぁ橘さん、世界で一番短い手紙って知ってる?」
「いえ」
「ビクトル・ユーゴーだな」おじさんが答えた。
本の売れ行きが心配だった彼は出版社に「?」とだけ書いた手紙を送った。
それに対して出版社は売れ行きは好調と言う意味で「!」とだけ書いた手紙を返した。
ユーゴーと出版社の間で信頼関係が出来ていたから、たった一文字でも意思疎通ができたと。
この葉書の短い文章の中にも二人にしかわからないいろんな思いが詰まってるんだろうね~と語っていると、おじさんが相変わらずロマンチストだなぁと。
嬉しそうに照れる近藤に、あんたの好きそうな本があると教える。
近藤はそそくさとおじさんの指差す方へ行き物色し始める。
あきらは古はがきを何枚か手にとって、「店長、この葉書・・・」と声をかけようとしたが、近藤は眼鏡を掛け本を読み始めていた。
「ダメダメ。ああなっちまうと周りの声も耳に入らなくなっちまう」
おじさんがそう言った。
あきらは少し本を読んだりしていて、ふと近藤のいた場所に目をやったが、そこに近藤は居なかった。
周りを見ても見当たらない。
おじさんは夢中になってどこかに行ってしまったかもと言う。
あきらは携帯を出して電話しようと思うが、近藤が本を読んでる姿を思い出してかけるのをやめた。
しばらくするとあきらの携帯にメッセージが。
SNSで今日このあと3年生の追い出し会♪先輩方お疲れさまでした!との投稿と楽しそうな写真が。
あきらは先輩たちと楽しそうに写っているはるかの写真を見ると、SNSを終了する。
カバンに携帯をしまおうとするが、近藤にメールしようともう一度携帯を手にする。
(風見沢高校)
校門の前ではるかは携帯を見ていた。
追い出し会の写真にあきらのいいねが付いていないことを確認すると歩き始める。
(赤レンガ倉庫古本市)
あきらは少し歩きながら携帯が気になっていた。いいね押さなくてもいいのか・・・
近藤は本を物色するのに夢中になってしまってすっかりあきらのことを忘れている。
ようやく気がつくと携帯にメールが。あきらからだ。
本文に「?」だけのメール。
あきらの携帯に返信がくる。
「!」だけのメール。
あきらは少し嬉しそうに笑う。
おじさんが気を使って声を掛けると、もうすぐ戻ってくると思うと答える。
おじさんは近藤は本の虫だと言う。
確か自分でも小説家を目指して書いてるはずだと。
近藤が慌てて帰ってくる。
両手を合わせてあきらに頭を下げる近藤。
あきらは答えた。
「大丈夫です。そういうことって誰でもあると思うので」
できた娘さんだと頷くおじさん。
何かいい本があったかと尋ねると、結局おっちゃんのとこが一番だと。
欲しい本をまけてくれとおじさんに頼み込むも、古はがき1枚オマケなら売ってやると。
妥協した近藤はあきらにはがきを選んでもらう。
その葉書には
”お手紙拝見。忘れることのできないものは無理に忘れることはないと思います。季節が巡ったら、またお会い致しませう”
と書かれていた。
桜木町駅前であきらと近藤は別れた。
近藤と別れたあと、あきらは携帯を出していいねを押した。
(ファミレスの店内)
ドリンクバーにいるはるかはSNSの写真を確認する。
あきらがいいねしてるのを見て、はるかもいいねを押した。
(諸星整骨院)
あきらは定期検診に来ていた。
諸星先生の質問に「はい」とだけ答えるあきら。
特に問題なく、また次回ねと先生。
あきらが帰っていくと看護師の高山さんがリハビリしないんですかね。やればまた走れるようになるのに、と言うと先生はこればっかりは本人にその意志がないとなかなか難しいよ、と。
(山猫軒)
外は雨が降っている。
近藤はラーメンを食べ始めると、店内のテレビに九条ちひろがゲスト出演していて驚く。
九条さんにとって小説とは何なんでしょうか?とMCが聞く。
ちひろはこう答えた。
「僕にとって小説とは恋人のようなものです。それはきっとこの先も変わりはしません」
山猫軒からの帰り道、傘をさして歩く近藤は思う。
《小説は恋人か》
自宅に帰ると書き続けてた原稿が入っているダンボール開け、原稿を見ながら昔を思い出した。
《かつては俺もそうだった》
《四六時中、小説のことを考えて書きまくっていたあの頃》
《それがいつからか》
《俺の片思いになってしまった》
棚の一番上のダンボールを下ろそうとすると、下に落としてしまう。
ダンボールの中から勇斗の小学校の入学式の写真が出てきた。
勇斗の後ろには母親のみどりが写っている。
写真を手にとると、結婚指輪が落ちた。
(回想)
みどりが原稿を書く近藤にお茶を出している。
《それでも、追って追って、追いかけて、周りの人間も傷つけて》
”俺の文学への思いは誰も救うことができないのか”
若い頃の近藤が問いかけてくる。
外は雨が降り続いていた。
(ガーデン)
近藤はレジで客にお釣りを返したあと、フロアで立ち止まり手帳にメモ書きをしている。
フロアに出てきたあきらはその様子を見かける。
事務所でパソコン操作する近藤。
あきらがお疲れさまです、と入ってきた。
あきらはロッカーを開けて本を取り出した。
夏目漱石の『それから』だ。
「あの、店長。これあの時に買ったんですけど・・・」
そう言って店長に本を渡す。
「あの時?古本市の?」
あきらは少し内容が難しいと思っていた。
近藤がパラパラと本をめくっていると、本の間に栞が入っていた。
ずいぶん使い込んだ栞だね~と感想を言う近藤。
最初から入ってたみたいで、これはお店に返したほうがいいのかと尋ねるあきら。
「これはこの本に含まれるものだよ」と、近藤が言う。
「いわばこの本がたどった歴史そのものだ。これも古本の持つ醍醐味なんだよね。
クローバーって柄もいい。大事にするといい」
と言いながらあきらの返そうとした時、近藤は栞に何かを発見した。
「大発見!」
少し嬉しそうな近藤。
夕日にしおりをかざすとツバメが出てきた。
「すかし・・・って言うより、古くなって箔が剥がれたんだろうね」
「ツバメと言えば、そこのドアのところにツバメの巣があったんだけど」
「えっ?そうなんですか?」
「久保さんが壊しちゃったんだ」
「えっ!」
「フンがひどくてね。飲食店だから仕方なかったんだけど悲しかったなぁ」
あきらは慌てて窓を開け、ドアの上を見ると巣の後があった。
「いやぁ、ヒナがみんな巣立ったあとね」
「一羽だけなかなか飛び立たなくてね、ひやひやしたもんだけど、無事みんな巣立っていったよ」
あきらは栞を手にしながら巣のあった場所を見つめ口を開いた。
「もしも、仲間と一緒に飛び立てなかったら、そのツバメはどうなってしまうんでしょうか?」
あきらの足元。
近藤の手の小説。
「飛び立てなくても、その地に留まって得られる幸せもあるかもしれないね。仲間たちのことも忘れて・・・」
「でも、そのツバメの飛び立たなかった理由が、ただの諦めであったとしたら、きっと毎日空を見上げることになる」
「ずっと。永遠に。」
「なんてな。ごめん、喋りすぎたね」
そう言っておどけてあきらに本を返す。
「古本市の時といい、最悪だな俺は」
本を受け取ったあきらが話しだした。
「店長。あたしは店長の言葉が聞けて嬉しいです」
「店長の言葉をもっと聞きたいですし、いつか店長の言葉を読んでみたいです」
「お、俺の言葉を・・・」
「店長がメモを取るのは、いつか書く小説のためですよね」
「こんな俺の」
「そんな店長だからです」
「それから。本当に飛ぶことを諦めたツバメは、きっと空を見上げることも忘れてしまうでしょうから」
《ツバメは知っている。雨の当たらぬ場所は、日も当たらぬ場所だと》
「あたし、店長の書く小説、きっと好きです」
そう言うと、あきらはテーブルの上の食器を片付けて部屋を出て行った。
近藤はメモ帳に手を当てながら思った。
《許されたい・・・なんてそんな大げさなことじゃない。けれど、ずっと誰かに言って欲しかった。それでもいいと。ありがとう》
~ED~ Aimer “Ref:rain”
原作との違い
今回もアニメ10話と原作との違いについて簡単に触れて置こうと思います。
アニメ10話では原作の37話、38話、39話、48話の一部、67話あたりが中心となった内容になっていました。
えっ!いきなり67話!?
【原作からカットされた箇所】※ネタバレ有り
最終回に向けていっきに話しをまとめにかかってきたのでしょうか。
前回のアニメ9話では原作の32話くらいまででしたが、今回はいきなり37話と話しが飛んでいます。
この間には加瀬と加瀬の姉珠子(血縁関係の無い姉)の登場、加瀬と珠子の複雑な人間関係、植物園に行ってバッタリ会ってしまうなどのエピソードがあります。
ここで加瀬に「橘ちゃんはまっすぐ進むタイプだ」と言われたので、思い切って古本市に店長を誘ってみると言う流れが原作にはありました。
このまま最終回に向けて話しがまとめられるとすると、これらのエピソードは全てカットされると思われます。
【アニメオリジナルな部分】
原作からカットする部分が多かったので、アニオリもちょっと多めになっています。
- 自宅リビングで月を見るシーン
- ビクトル・ユーゴーのエピソード
- 近藤のアパート周辺の詳細
- 古本の中の栞
- その栞にツバメの絵
- あきらのセリフ「あたしは店長の言葉が聞けて嬉しいです」
- 「店長の言葉をもっと聞きたいですし、いつか店長の言葉を読んでみたいです」
- 「店長がメモを取るのは、いつか書く小説のためですよね」
- 「それから。本当に飛ぶことを諦めたツバメは、きっと空を見上げることも忘れてしまうでしょうから」
あきらと店長のやり取りで、近藤が小説を書くと言うことに、あきらがこれだけ触れてくるのは原作にはなかったような・・・
ちょっとドキドキしました。あきらがかなり飛ばして来てる感じが強く出ていて^^;
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感想
アニメ10話は近藤の悪いところがクローズアップされましたが、あきらはそれをいいと言ってくれました。
あきらの言葉によって近藤は救われた気持ちになりましたね。
それが最後の台詞「ありがとう」につながってます。
はるかと喧嘩別れして気まずくなったあきらを近藤が救ってくれました。
今度は近藤の一番悪い部分である小説に没頭し過ぎる、近藤が自分の欠点だと思っている部分をあきらが肯定してくれました。
あきらはケガをして陸上を止めている。
近藤は誰も救えない文学の道、小説家の夢を諦めている。
人生の雨宿り中の二人ですが、あきらが近藤の肩をそっと押す感じになったんでしょうか?
てことは、今度は近藤があきらの肩を押すのか?
前述もしましたが、あきらがグイグイと近藤の領域を攻めて来てる感じが強くてドキドキでした。
近藤はもっともっと小説を書くことに闇の部分を感じてるのではと思っていたので、そこに触れるのはちょっと・・・って思ったんですね。
あきらがどうしてあれだけ積極的に動けたのか。その背景は原作では加瀬との植物園のエピソードがあったからだと思うので、そこがちょっとだけ残念かなぁと。
あとがき
ツバメが出てきましたね~
オープニングのツバメが居なくなった!って話しをさせてもらったんですが、なんだかこの後もちょっとしたキーワードになるかもですね!
いろんなエピソードが飛ばされて、いきなりあきらが店長を古本市に誘ったり、諸星整骨院の診断があったり、ツバメのクダリが出てきたり・・・
何か話しをまとめようとする気配が。
しかも、それは
あきらは陸上復帰へ。
店長は本格的な執筆活動へ。
的な感じなんでしょうか?
アニメ11話の予告が公式サイトにアップされましたが、どうも次回は倉田みずきが登場しそうですが、原作とはちょっと違った感じになるのかなぁ。
はるかの告白も気になる!
この感じだと恋雨season2、恋は雨上がりのように2は期待出来ないのか(゚д゚)!
見逃した方は
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アニメ全話 感想・ネタバレ
最後までお読み頂きまして
ありがとうございました!
アニメ10話の感想などをコメントで教えて頂けると最高に嬉しいです^^