「恋は雨上がりのように」のアニメ11話叢雨(そうう)についての感想や原作との比較、違いなどについてまとめて行きたいと思います。
原作を読んでなくアニメだけを楽しみにしている人も沢山いらっしゃると思うので、可能な限り原作のネタバレをしないように気をつけたいと思います。
とは言えこのサイトは原作のネタバレ記事が主体になっているので、未読の方は他のページを極力見ないことをオススメします。
アニメ11話(叢雨)概要
(風見沢高校)
放課後の風見沢高校グラウンドでは陸上部が練習をしているが、もう少ししたらサッカー部と入れ替えの時間だ。
はるかはもう一本走っておこうと部員に促す。
一方あきらは教室でスケジュール帳を見ながらバイトのシフト希望を書いている。
グラウンドでは部員が雑誌に載っている南高校の倉田みずきを発見した。100mで自己新を更新した話題だった。
はるかも倉田のことは知っていたようだが、アキレス腱断裂をやっていたことは知らなかった。
今日やってる県大会本戦に倉田が出ていると言う石井はあきらの記録が抜かれちゃうかなと心配そうだ。あきらがこのまま走らなくなるのは悔しいと。
”同じケガでもそれぞれ違うのはわかっている。だけど、誰かにできてあきらにできないなんて、どうしても思えないよ、あきら”
はるかはそう思いながら走った。
時間になりグラウンドはサッカーと入れ替えに。
教室のあきらはメモ紙にシフト希望を書き終えた。月、火、金、土(日曜日も大丈夫です)
書き終えたあきらは少し嬉しそうに微笑む。
~OP~ CHiCO with HoneyWorks ”ノスタルジックレインフォール”
校門で他の部員と別れたはるかは駅に向かいあるき出した。少し空が怪しい感じになってきた。
駅前までくるととうとう雨が本降りに。雨宿りをしていると携帯のSNSに南高倉田100m自己新更新の書き込みが。
みんな騒ぎすぎだと思う。
交差点の斜向いにあきらを発見し、声を掛けるが周りの音にかき消されてあきらには届かない。
一瞬、声を掛けるのをためらうが、そのため信号に引っかかり更にタイミングを失ってしまう。
あきらは能見台駅へ。はるかも追いかけるが既にあきらの乗った電車は出てしまった。
(ガーデン)
着替えが終わったあきらが携帯を見ると、風高女陸上部のタイムラインに倉田みずきが自己新出したと言う書き込みを見る。
しかし、携帯をしまいシフト希望のメモ紙に持ち変え、近藤に渡そうと近寄る。
休憩していた久保さんが早く出ないと本社の会議に遅れると急かしている。
「あの店長、これ来月分のシフト希望です。」
あきらは近藤にメモ紙を渡した。日曜日も大丈夫とのメモを見た近藤は、先日ツバメの話しをした時のことを思い出し、あきらに何か言おうとする。
しかし久保さんに急かされタイミングを失う。
「夜には戻ります」と言って出ていった近藤だが、デスクの上に大事なファイルを忘れている。
本社に向かう途中、ファイルがないことに気づいた近藤は「振り出しに戻る」とつぶやきながらガーデンに向かう。
一方ガーデンに客が入ってきた。あきらが対応に出るとそこにははるかが立っていた。
席につきすぐに帰るからドリンクバー一つと注文する。そして戻ろうとするあきらを呼び止めた。
その様子を厨房の方から近藤が見ていた。あきらと同じ制服の女の子。なにか只ならぬ雰囲気を感じている。
「戻っておいでよ」
「このままだとあきらと陸上が。あたし達ともどんどん離れていっちゃう。そんなの悲しすぎるよ」
近藤もその言葉を聞いていた。
「帰る。ごめん注文取り消して」
はるかはそういうと席をたった。そして続けた。
「今日の大会で100mで記録出した倉田って子、2年前にあきらと同じケガしている」
「いつでもあきらのこと待ってる」
はるかはそう言い残して店をでた。
近藤はその様子をじっと見つめている。
外は雨が降り出した。
(元住吉駅前)
元住吉書房に立ち寄った近藤は九条ちひろの波の浜辺を手に取った。本の帯には映画化の文字が。
近藤は嬉しくなり、家に帰りながらちひろに電話する。
(近藤のアパート)
家に近づくにつれちひろの声もなんとなく近く感じ、階段をのぼる頃にはハウリングしてきた。
「来ちゃった」
ちひろは少しオカマっぽくそう言う。
近藤のアパートに来ていたのだ。
急に来られても何も出ないし部屋は汚いぞと言う近藤。
そんなの気にしてねーよとちひろ。
ハムスターに気がついた。
タバコを吸おうとするがそこは禁煙だと言われる。
いいものを持ってきたとちひろが紙袋から出したのはコーヒーサイフォンだった。
懐かしそうにする二人。
ネットでポチッと買ったと。
コーヒー豆なんか無いと近藤が言うとちひろは豆とフィルターもポチッと買ったと。
「恐れ入り屋の鬼子母神」
そう言いながら頭を下げる近藤。やれやれといった表情をしている。
サイフォンのお湯が湧きはじめてくると、そろそろ始めるかと言いあれを出せとちひろ。
それは原稿用紙のことだった。
そんなもの無いと近藤が言うと、じゃあ探しちゃおうとちひろは書斎の方の襖を開けた。
机の上の書きかけの原稿用紙を発見し、「ばーか、あるじゃねーか」と。
コーヒーが落ちるまでの間、二人はペンを走らせた。
しかし、近藤は俺は無理。ダメだと言って何も掛けてない。
ちひろはと尋ねると、ホイっと原稿用紙をわたされた。
”どこまでどこまでと
鳥が鳴く。
運んで来たのは
何の種だろうか。
足元からまだノックの
音はない”
近藤がちひろの小説を読み上げる。
駄目だ駄目だ~と言いながら嬉しそうな二人。
「ここでやるとは思わなかった一分小説」
それにしても書けないなぁ~あの頃は勝手に言葉が溢れてきたのに。今はなんにも書けないと近藤。
それに比べたらお前はスゴいと。小説は映画化だし超売れっ子だと。
しかしちひろはあんな小説は大衆に媚びたクソだと言う。
でもお前の作品は沢山の人を救っていると近藤が言うとちひろは言い返した。
「文学ってのは人を救うためのもんじゃねーんだよ!」
「文学ってのは毒であるべきものなんだよ。そうだろ近藤!」
まさかそれを言いたいがために来たのかと近藤が返すとちひろは答える。
「走り出す前の俺を知ってるお前に会いたくなったんだ」
ちひろは続けた。
「一度走り出したら止まらねえ。躓く事さえ許されず突っ走る。
ゴールが何処なんてわかりゃしねぇ。
周りの期待に押しつぶされそうになりながら結局クソを生み出し続けている。
そんな自分を戒めたくってお前に会いにきた。
見失ってしまいそうな自分を確かめるためにな。」
「なーんちゃって」
おどけてみせるちひろ。
お前さっき前みたいに書けないって言ったけど、書けないんじゃなくて書かないだろ。
昔とおんなじような気持ちじゃないと書いちゃいけねーと思ってるんだ。
そうじゃねーと過去の自分に失望されちまう、と。
「お前を邪魔してんのはお前だよ」
ちひろが言うと、近藤が返しはじめた。
「もうこの歳だ。あの頃に戻れるはずもないし、青臭い感情だけではどうにもならないことが沢山あった。
でも、書くことだけは夢や憧れに正直でありたい。
たった一行でいい。猛毒をおとしたい。
たった一人。その一人の心を毒でおかしたい。」
「なんちゃって」
ベランダでタバコを吹かしながらちひろが口を開いた。
「実際、近藤ってさ正直な人生だよな」
「そうかなぁ」
「そうだよ。あの頃のまま夢一個で生きてる」
「あの部屋だって未練じゃなくて執着なんだ」
「じゃあちひろ、お前も同じだ」
「夢一個握りしめて、より高い文学の頂きに挑んでいる。あの頃のままに」
近藤もタバコを加えてベランダに出てくる。
そしてちひろのタバコの火で自分のタバコに火をつけさせてもらう。
大きく一服する二人。ちひろが言う。
「しっかし眺めのわるいとこだな」
「先が見えねぇからワクワクすんだよ」
夜になり玄関のちひろの靴がなくなっている。
《執着か・・・だとしたら、この思いを持ち続けていれば、いつかたどり着けるんだろうか》
近藤はそう考えながらペンを手にした。
窓の外には半月が輝いている。
(あきらの部屋)
半月が雲の合間から顔を出している。
携帯を見ながらベッドに横になっていたあきらは、すっと立ち上がりクローゼットから何かを取り出した。
スパイクだ。
あきらは陸上部のタイムラインを見ていた。
(ガーデン)
あきらはテーブルを片付けながら、はるかの言葉を思い出していた。
”その子、二年前にあきらと同じケガしてる”
ツバメの栞を思い出す。
もやもやした雰囲気が少し晴れてきた・・・
すると女の子があきらのスカートを引っ張った。
「あのね これ忘れ物なの」
あきらは急いで店を出て客を探すと、すでにだいぶ遠くのほうに行っていた。
「お客様~」
声をかけるが届くはずもない。
以前なら走って追いかけたが、今回は走ることを躊躇った。
右足のケガをかばうために。
(夜のガーデン)
近藤はデスクであきらのメモ紙を見ていた。
希望通りのシフトの入力をためらっていたのだ。
《本当に飛ぶことを諦めたツバメは、きっと空を飛ぶことすら忘れてしまうでしょうから》
あきらのセリフを思い出していたが、何か言わなくてはと感じた。
着替えが終わったあきらがカーテンから出てきてお疲れさまですと声を掛けてきた。
近藤はお疲れさまと言いながら続けた。
「この間もらったシフト希望なんだけど、ほんとにこんなに入れていいの?」
「中間テストとかあるんじゃないの?」
「大丈夫です。入れます。」
「バイトよりもやりたいことがあったら、そっちに時間とってもいいよ」
「うちは人手不足だけど、なんとかなるっちゃなるし」
「学校とか、いろいろあるでしょ」
バン!!!
あきらがロッカーの扉を思いっきり閉めた。
「他にやりたいことなんてありません!」
雨が激しく降っている。
あきらは帰り道、そっと傘を閉じて雨に濡れながら歩いていく。少し空を仰いだ。
近藤は事務所でタバコを吹かしていた。
デスクにはあきらのメモ紙が置いたままだ。
~ED~ Aimer “Ref:rain”
原作との違い
今回もアニメ11話と原作との違いについて簡単に触れて置こうと思います。
アニメ11話では原作の46話、48話、49話、54話あたりが中心となった内容になっていました。
スパイクが出てきたと言えば50話も少し絡んでくるかと思いましたが・・・
【原作からカットされた箇所】※ネタバレ有り
全12話と言うことで、今回は最終回前と言うことになりました。
原作からカットされた場所としては・・・もうあげるとキリが無いくらいカットされてます。
と言うか話しは原作と比較するとどんどん加速しているので、細かなサブストーリー的な話しはほぼカットされている印象になってます。
1クールの宿命と言うことになるんでしょうか。
ユイと一緒に編み物をする話しは、もう出てこないのか・・・ユイちゃんて何だったんだろうアニメでは・・・
それを言ったら加瀬なんて、ただの嫌われキャラで終わってるし。
スパイクのやり取りではあきらと母のケンカから仲直りが見どころだったんだけど・・・
【アニメオリジナルな部分】
話しの構成自体がこの11話ではアニオリって感じになってますね。
その中でもアニオリとして注目点は以下のあたりでしょうか。
- 風見沢高校での部活の様子
- 倉田みずきが雑誌で登場
- はるかがあきらを駅前で発見
- コーヒーサイフォン
- 一分小説
- 近藤の部屋でのちひろとの会話
- 部屋でスパイクを手にするあきら
基本的なニュアンスは原作を踏襲しつつ、話しを着地させるためオリジナルのストーリーを入れて来ている感じでしょうか。
特にちひろが近藤の部屋にやってきた所ではコーヒーサイフォンや一分小説などのネタを入れてきたり、独自のセリフを持ってきたりしてて原作よりも詳しく描写された感じがあります。
あきらは陸上復帰、近藤は執筆活動再開・・・と言う着地点になるのか。
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感想
アニメ11話で注目したいのは2つあると思ってます。
1つ目は何と言ってもはるかの一言ではないでしょうか。
陸上部に戻っておいでよ、と言うだけならまだしも、倉田みずきがあきらと同じケガを負っていることも告げました。
これはあきらにとってはかなり衝撃的だったのではないでしょうか。
一番痛いところを親友のはるかにズバッと言われる。
はるかははるかでかなりの覚悟で伝えたんでしょう。ガーデンに来たのも覚悟の現れですよね。
二人のやり取りはアニメならではの良い緊張感と、そしてどこか温かい、そんな感じも受けました。
もう一つはちひろですね。
お前を邪魔してんのはお前だよ、と言うセリフ。
これで近藤は自分の中の小説を書きたいと言う気持ちを閉じ込めていた自分を受け入れ、筆を手にしました。
あきらにははるか。
近藤にはちひろ。
そして、あきらと近藤は互いを思いながら・・・
って、結末はどうなるんでしょうね!
あとがき
倉田みずきの登場がほのめかされてましたが、結局登場しませんでした。
管理人はまだ恋雨season2、恋は雨上がりのように2を諦めていないので、なんとか続きを見たいと思ってますが。
ほら、このアニオリで追加された解答の一言。
『続きが読みたいとも思いました』が第2章への伏線であって欲しいと・・・
いずれにしても、次回12話で最終回。
どのような結末になるのか、心して観たいと思います。
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アニメ全話 感想・ネタバレ
最後までお読み頂きまして
ありがとうございました!
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